2019年11月22日、ニコンからZマウント初のAPS-Cミラーレス機「Z50」が発売されました。
フルサイズZマウント機「Z6」「Z7」の系譜を受け継ぐデザインと機能性を、APS-C機ならではのコンパクトな筐体にギュッとまとめた粋な筐体です!
キットレンズも非常に軽量・コンパクトで街撮りのスナップにぴったりの機種!詳細にレビューしていきます!
公式的には半角スペースを入れて「Z 50」と表記するのが正しいですが、めんどくさいのでここでは「Z50」と書きます。
開封の儀
購入したのは「Nikon (ニコン) Z50 16-50 VR レンズキット」。
とりあえず、街撮りスナップ用の軽量小型機種が欲しいので望遠レンズは無しにしました。欲しくなったら追加で中古の買えばいいですし。
Z50の外箱と梱包

レンズキットセットの外箱。

箱の中身。左にZ50、右下にキットレンズ、右上にアクセサリー類が入ってます。

付属アクセサリー類。左からバッテリーチャージャー、バッテリー、USB-A〜USB-microBケーブル、ストラップ。
Z50ボディ

フルサイズZをそのまま小型化したようなデザイン。APS-Cミラーレスでは珍しく光軸上にEVF(電子ビューファインダー)を搭載しています。写真に一途なニコンらしいこだわり。
ファンクションボタンが2つ正面に付いているのも大きな特徴。
ボディは金属製を採用しているため高級感がありますね。プラボディだとチープな感じがしますが、Z50は持っているだけで所有欲を満たしてくれてワクワクする感じがします。

EVF側
3.2型の大型液晶モニタを採用し、プレビュー表示が見やすくなっています。もちろんタッチパネル液晶で、液晶の右側にある拡大/縮小ボタンなどもタッチして操作可能。

上側
グリップが大きいのが特徴で、持った時のホールド感はAPS-C機の中で群を抜いてます。上部・背面の画像を見ていただくとわかると思いますが、撮影時使用するボタンは全て右側に配置。スナップ利用を想定して使いやすいよう工夫されていますね。

側面左
EVFの出っ張りはもう少し抑えた方がいいんじゃないかと思わなくもなかった。でも使うとちょうど鼻が当たらないようになっていて、使いやすさ・液晶の汚れにくさの面から言うと「へええ、、よく計算されているなあ」と感じます。

側面左(端子類)
上からマイク入力、USB端子(Micro B)、HDMI(Type D)。
USB端子がtype-Cじゃないのが個人的にかなりの残念ポイント。持ち運びケーブルは早くtype-Cに統一したいのに・・・。

側面右
Nikonの特徴である赤いラインも健在。ミラーラスのZから少し主張が控えめになりました。

底面
バッテリー、SDカードの収納口と、三脚固定用ネジ穴があります。
キットレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」

キットレンズのNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR。沈胴時の張り出しはわずか32mm、重量は135g。
思わず「ちっさ!」と驚きます。あ、ちっさ!というよりも「薄っ!」かな?どうでもいいか。パンケーキレンズを思わせるほど、とにかく薄くて軽いレンズ。

Z50に装着してみました。
薄さに驚きます。グリップ部の張り出しとほぼ同じなので、ケースに入れて雑多に普段のカバンに放り込んでも邪魔になりません。
質感・外観レビュー
手に取ってみた重量感や質感などについてレビューしていきます。SONYα6500も所有していますので、ここからはちょいちょいSONY機との比較も織り交ぜています。
重さ
16-50mmキットレンズを装着した状態で585gと非常に軽量。ほぼ500mlペットボトル1本分。ストラップを付けて肩から下げていても全く負担になりません。
APS-C機種の本体はどのメーカーも重量400g〜450g程度で似たようなものですが、標準ズームレンズを付けて600gを切るのはかなり軽量ですね。
質感
金属製を採用している本体は非常に高見えします。Z6,Z7を小型化した、まさにミニZと言ったところ。過去所有していたD5600ではプラスチック製筐体のため安い感じが否めませんでしたが、こちらは眺めているだけでウットリ。
その反面、キットレンズの質感は値段なり。悪く言えば安っぽい。
マウント部は金属ではなくプラスチックであり、ズームリング・フォーカスリングを含む外観もプラスチック感満載。写りはいいのにこの点が残念・・・。
ただ、実際に本体に装着してみるとめっちゃ可愛く見えてきて、これはこれでありなんじゃないかと思ってしまうから不思議!
液晶画面
液晶サイズは3.2インチのタッチパネルで、非常に見やすくタッチ操作しやすい。
MENU操作はもちろん、撮影中のISO感度やF値、シャッタースピードなどもタッチパネルで直感的に操作できます。
チルト角度
画面角度はチルト式調整可能。

地面スレスレで撮影するときに便利な斜め45度くらい〜上90度まで調整できるほか、完全に液晶面をひっくり返してレンズ側に向けることも可能です。

一眼レフでスナップ自撮りってなかなか難しいですが、Z50ではキットレンズの軽量さも相まってかなり使いやすい。この手軽さは好評価。
EVF
EVFの映りも非常に良好。動作の遅延などは全く感じず、忠実に目の前の景色を再現してくれます。
仕様面レビュー
仕様面のレビューをしていきます。特に操作関係は「さすがNikon!」と言わんばかりの機能を実現しています。インターフェース周りの操作のしやすさは感動するレベル。
画質
画像エンジンはZ6,Z7にも採用されているEXPEED 6を採用。
高い画像エンジン処理性能で、暗所における高感度撮影でも低ノイズを実現し、Z6,Z7と同等の画作りができます。
本体はそのままZ6を小型化したデザインですが、中身もセンサーサイズが違うだけで、本当にフルサイズ機を小型化した機種になっていますね。
操作性

主要なボタン類は全て右側にかたよっており、右手だけで全ての操作ができるように考えられています。この辺りはさすが老舗ですね。
コマンドダイヤルが2箇所。撮影中に操作することの多いISO感度・露出補正・絞り・シャッタースピードが素早く操作できます。
前面のF1,F2にもキーを割り当てればさらに操作しやすく。スペックに現れないニコンの良さってこういうところですね。
オートフォーカス
瞳AF対応。瞳検出精度が高く、撮影範囲に対して人が比較的小さくてもかなりの精度で瞳検出してくれます。
AF速度も爆速です。α6500と比較してもワンテンポ早いAFになっていますね。
EVF使用時のフォーカスポイントの移動は「OK」→「十字キー操作」で移動します。慣れてしまえば十字キーでの操作でも素早くフォーカスポイントを移動することが可能。
SONYα機のように液晶パネルをドラッグしてフォーカスポイントを移動することができないのは残念。
EVFを使わないときはタッチパネルで直接フォーカスポイントをタッチしてあげればそこにフォーカスを合わせてくれます。設定次第ではフォーカス合わせた後続いて撮影も可能。
手ぶれ補正
Z50本体にボディ内手ぶれ補正はなく、キットレンズに手ぶれ補正が搭載されています。
本体に手ぶれ補正がないのはマイナスポイントではありますが、その分価格と重量が抑えられていることを考えるとこれもアリだと思います。
それよりも、キットレンズ以外にVR内蔵のZマウントレンズが無いのが厳しいところ。APS-C用の軽量薄型のVR内蔵単焦点レンズの登場が待ち望まれますね。
防塵・防滴
防塵防滴仕様ではなく、「防塵防滴に配慮した設計」となっています。
なにそれ?と思うのが正直なところですが、一般的な小雨程度では対応可能と解釈すればよさそう。(適当)
センサークリーニング機能
搭載されていません。同価格帯機種には概ね搭載されている機能ですが、Z50にはないのが残念。ゴミ取りは定期的に自身で行いましょう。
メカシャッターを閉じた状態でレンズ交換すればなるべくゴミが入りづらいようにはできるので、それで対処するしかないですね。
位置情報
本体にGPSは内蔵されていません。位置情報はスマホとリンクさせて取る必要があります。
私みたいに「常時スマホと連携しておきたくない人種」には厳しい仕様。フルサイズ機のZ6,Z7にもGPSはなく、SONY機も同仕様なので最近のカメラはそういう方向性なのかもしれないです。
フラッシュ
フラッシュはEVFのNikonマークの箇所がパカッと開く仕様になっています。EVF横のツマミをスライドさせるとフラッシュが開きます。
シャッター
シャッターはメカシャッター、電子シャッターの両方に対応。設定で手軽に切り替え可能です。
普段はメカシャッター、店内での撮影などあまり音を出したくない時には電子シャッター(サイレントシャッター)を使うと便利ですね。
シャッター音は昔ながらのカシャ!カシャ!という音を実現しています。Nikonの機種ってシャッター音が小気味いいのでついシャッター切りたくなりますね。
↓Z50のシャッター音です↓
もちろん、EVF不使用時には液晶パネルをタッチすることによってシャッターを切ることもできます。
まとめ
Z50のレビューをお届けしました!簡単にまとめます。
- 軽くて持ち運びしやすく、本格的なスナップ撮影に最適
- 右手だけで撮影設定が可能
- EVFが見やすい
- タッチパネルでMENU操作が可能
- APS-C用DXレンズが現状キットレンズしかない
- 本体に手ぶれ補正なし
- USB端子がmicroB
キットレンズしかないというのが致命的。当面は単焦点レンズを諦めるか、FTZマウントアダプターを利用してFマウントレンズを利用するしか手立てはありません。
ただ、キットレンズの描写力が非常に優れていて、Z50と組み合わせた時の操作性や取り回しの良さは抜群!!使ってみると本当に操作しやすく、写真撮影が楽しくなってくる機種になっています。
とりあえずはキットレンズから始めてみる初心者の方、登山用に小さめのズームレンズ搭載機種が欲しい方、フルサイズ機を持っていてコンパクトなAPS-C機が欲しい方にオススメの機種ですね!
その他の機能面レビューは下記のα6400との比較記事でご紹介しています。
コメントを残す