リカルド・ビバリーヒルズが2018年11月に日本上陸し、各種スーツケースが公式ショップで販売開始!
その中にはリモワ「オリジナル」にそっくりの「エルロン(Aileron)」というスーツケースが販売されています。
つい最近リモワのスーツケースを買った私。
これを見つけた時、
「なんじゃコリャアアアアア!!しかも静音キャスター付き!!!??(リモワ買うんじゃなかった・・・)」
と度肝を抜かれました。
まあ、よく調べるとそれは取り越し苦労だったわけですが。本記事ではリモワ「オリジナル」とリカルド・ビバリーヒルズ「エルロン」の違いについて徹底解説していきます。
リカルド・ビバリーヒルズって?
「そもそもリカルド・ビバリーヒルズってなに?どこの会社?」と思う方が多いと思います。

リカルド・ビバリーヒルズ(Ricardo Beverly Hills)は、1978年にリチャード・リカルド・ギブス氏がアメリカ国カリフォルニア州ビバリーヒルズで設立したブランド。
スーツケースやバッグを中心としたトラベルグッズ全般を扱う会社です。
アメリカやヨーロッパを中心に40以上の国と地域で展開済み。アジア初進出と記載しているネット記事も見かけましたが、アメリカ公式サイトを見るとベトナムなどでもすでに売られているようです。
今回で日本には初上陸!ただし、オンライン販売のみであり公式実店舗はありません。
リカルド・ビバリーヒルズ「エルロン」とリモワ「オリジナル」の違い
では、本題の「リカルド・ビバリーヒルズ エルロン(以下、エルロン)」と「リモワ オリジナル(以下、オリジナル)」との違いを見ていきます。
仕様一覧
まずは仕様一覧から。主に違いがある行は蛍光色で表示しています。メーカー別ではなく、左から容量が少ない順に並べています。
メーカー | RIMOWA | RIMOWA | Ricardo Beverly Hills | RIMOWA | Ricardo Beverly Hills |
RIMOWA |
商品名 | Original Cabin S | Original Cabin |
Aileron 20-inch Spinner Suitcase | Original Cabin Plus | Aileron 24-inch Spinner Suitcase |
Original Check-In M |
色展開 | チタニウム、ブラック、シルバー | チタニウム、ブラック、シルバー | シルバー、ブルー | チタニウム、ブラック、シルバー | シルバー、ブルー | チタニウム、ブラック、シルバー |
定価(税込) | 119,880円 | 123,120円 | 64,800円 | 135,000円 | 75,600円 | 146,880円 |
縦×横×奥行(cm) | 55×40×20 | 55×40×23 | 55.8×39.3×25.4 | 57×44×25.5 | 66×46.9×30.4 | 69×44×27.5 |
重量 | 4.2kg | 4.3kg | 4.8kg | 4.7kg | 6.0kg | 5.4kg |
容量 | 31L | 34L | 40L | 49L | 58L | 60L |
材質 | アルミニウム | アルミニウム | アルミニウム | アルミニウム | アルミニウム | アルミニウム |
TSA | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
収納部留め方 | フレックスディバイダー(両面) | フレックスディバイダー(両面) | クロスバンド(両面)、メッシュシート(片面のみ) | フレックスディバイダー(両面) | クロスバンド(両面)、メッシュシート(片面のみ) | フレックスディバイダー(両面) |
マルチホイール | ◯ | ◯ | ◯(静音キャスター) | ◯ | ◯(静音キャスター) |
◯ |
ハンドル | テレスコープハンドル(無段階調整) | テレスコープハンドル(無段階調整) | ソフトグリップ付き | テレスコープハンドル(無段階調整) | ソフトグリップ付き |
テレスコープハンドル(無段階調整) |
機内持ち込み対応 | ◯ | △ | × | × | × | × |
※リモワオリジナルは60Lを超えるサイズもありますが、エルロンに類似サイズが無いため表には記載していません。
価格
何と言っても目につくのが価格でしょう。同じアルミニウム筐体を採用しているのに、オリジナルに比べてエルロンは約半額となっています。
価格最優先の方は文句無しにエルロン一択です。
サイズ展開
サイズ展開も大きく違います。
エルロンには機内持ち込みサイズはありません。また、オリジナルは31L〜105Lまでの8サイズ展開に対し、エルロンは40Lと58Lの2サイズ展開です。
「日本で他のサイズが発売されてないだけでは?」と思って調べてみたのですが、アメリカ公式サイトを見ても2サイズ展開でした。
サイズの選択肢が多いのは圧倒的にオリジナルですね。
重量
容量あたりの重量がエルロンの方が重くなっています。
エルロン58Lとオリジナル60Lモデルを比較すると、エルロン6.0kgに対してオリジナルは5.4kgと軽く作られています。オリジナルの方が容量が大きいにも関わらず、です。
キャリーケースは軽い方がいいので、オリジナルの方が優れています。
外観・外装

外観の模様が微妙に異なっています。
エルロンはギザギザな三角波のような模様、オリジナルは平面をベースに等間隔に小さな山が出ているような模様です。遠目に一見したレベルでは見分けがつかないかもしれません。

ロック機構はいずれも3桁の数字×2箇所でロックする方式となっています。
ただし、エルロン(24インチのみ)は2箇所のロック部分の中央にも留め具があります。公式ページにはこれについて何も書かれていませんが、おそらく補助的な留め具に使うものだと思われます。
色合い

エルロンはシルバーのメタリック色が強く出ています。四隅の補強材もアルミをそのまま磨いたような色合い。全体的に光沢あり。
一方、オリジナルはやや白みがかったシルバー色。白金に近いような色合いでしょうか(白金見たことないけど)。四隅のプレートもややグレーがかった色合いをしています。
オリジナルのほうが値段が高いだけあって、手間をかけたこだわりが強い色合いに感じます。でもここは好みですね。光沢が好きか非光沢が好きか、でしょう。
内装

内装は大きく異なります。
まずはエルロン。
内装生地は無地のシルバー色。荷物を固定するのはクロスバンド(両面に設置)で行います。また、片側だけですがクロスバンドに加えてポケット付きメッシュシートが付いています。
メッシュポケットは小物を収納するのに非常に便利。格安スーツケースでもよく見る一般的な作りですね。
一方、オリジナル。
内装生地はリモワ模様が入った濃グレー色。荷物を固定するのはリモワ特有のフレックスディバイダー(両面に設置)で行います。フレックスディバイダーは全面がメッシュポケットになっていて、なおかつ荷物を強力に固定するスグレモノ。これがあるからリモワをやめられないという人もいると思います。
内装の高級感と使い勝手はオリジナルが優れています。エルロンは価格なりの内装と言った感じ。
伸縮ハンドル
伸縮ハンドルは違いがあるのか謎の部分です。
オリジナルはテレスコープハンドルで無段階調整可能ですが、エルロンはその部分について公式に何も記載がありません。「記載がない」=「アピールポイントではない」ということなのでおそらく無段階ではないと思われます。
なお、エルロンにはソフトグリップが搭載されているようです。ここは好みが分かれる部分だと思います。
個人的には一番握るであろう伸縮ハンドル部分は金属製(もしくは強化プラスチック)のままが好みです。手垢や汚れ、劣化を気にしなくていいので。
キャスター

エルロンの強みはおそらくココ。エルロンは静音キャスターを採用しています。オリジナル(というかリモワ全製品)はキャスターの静音化なんか全く考えてないらしく、かなりうるさい。
エルロンの静音キャスターの実力がどの程度のものか不明ですが、静音性を明記している以上はオリジナルよりは静かなことは間違いありません。
静音性を求めるならエルロンでしょう。キャスター自体の見た目は大して変わりません。
保証期間・保証条件
保証についても違いがあります。
まずはエルロン。
「LIMITED LIFETIME WARRANTY(条件付きライフタイム保証)」という無期限保証になっています。
条件付きライフタイム保証?なにそれ?と思いますので、公式から一部引用します。
通常使用下における不具合(素材不良・加工不良・ハンドル不良・ジッパー不良・ロック不良・ホイール不良)については、修理にて対応させていただきます。
下記の場合は補償の対象外となり有償(有料)での修理となりますのでご了承ください。
「不正使用」「不注意」「事故」「摩滅」「加熱」「溶媒」「酸」「水」「通常の消耗」「運搬(たとえば航空会社によって)」などによる損壊。
保証期間終了後であっても、有償(有料)での修理が可能です。
これ、細部を読めば読むほどわからないです。
上のほうには「通常使用下における不具合は修理にて対応」(おそらく無料)と記載されているのに対し、有償修理の条件として「通常の消耗」が含まれています。
結局、普通に使っていてどの消耗・不具合なら無償なのかがよくわからない。
また、最後の一文「保証期間終了後であっても〜」と書いており、無期限保証をうたっていることとの整合性が取れない。わからないだらけです。
一方、オリジナルの保証はというと。
こちらも公式サイトの一部を引用します。
トラベルラゲージおよびビジネスラゲージを5年間保証いたします。
本保証書は、製品がお客様のお手元に渡った時点で存在した素材または製造上の不具合(欠陥)によって、使用に支障をきたす場合に限り適用されるものです。
摩擦、不適切な使用、誤操作あるいは外部からの力(特に飛行または輸送による変形、亀裂、本体の破損、擦りキズ、磨耗などの損傷)、あるいは液体によって生じた使用上の支障は対象としません。
製品到着後、RIMOWAでその不具合が保証の対象かどうかを判断いたします。保証の対象と判断された場合には、RIMOWAの判断に応じて製品を修理または交換いたします。その場合は、RIMOWAが発生した返送時の送料も負担いたします。送付時の料金はお客様のご負担といたします。
オリジナルは保証期間5年となっており、期間が明確です。
ただし、こちらも通常の使用レベルでの保証が効くのかどうかグレーです。なぜなら、保証対象外の要件として「外部からの力」が含まれているから。(外部からの力なんて普通に使ってればかかるのに。)
というわけで、保証条件はどっちもどっちだと思います。
エルロンとリモワオリジナルの違いまとめ
それぞれを比べた場合の優位なポイントをまとめます。
- 安さ(リモワオリジナルの半額)
- 静音キャスター
- サイズが豊富
- やや軽い
- 内装に高級感
- 荷物固定具(フレックスディバイダー)が優秀
- 伸縮ハンドルが無段階調整可能
使い勝手はリモワの方が良さそうですが、エルロンの価格と静音キャスターはかなり魅力的です。自分の欲しい容量のスーツケースにエルロンがあるのなら十分に選択肢に入ります。
ただ、機内持ち込みサイズはリモワにしかありませんので、その場合はリモワ一択です。
さいごに
全体的に双方とも価格なりの仕上がりになっているな、と感じています。
リモワオリジナルは外装の質感と仕上がりそして内装まで含めて高級感を放っていますが、エルロンはなんだかんだ価格なりの内外装です。
ただし、エルロンの安さと静音キャスターは相当魅力的。
リモワクラシックキャビンSを買った私としては、もし対抗馬に5万円程度のエルロン機内持ち込みサイズがあったら相当悩んでいたと思います。
いや、、、たぶん安さとキャスターの優位性でエルロン選んでました笑
もっとサイズ展開してリモワの対抗馬になって欲しいですね。そうすると、リモワも値下げ&静音キャスター導入を考えてくれるかも、と期待。
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